016: 吹奏楽 いきなり顧問に!? 指導初心者におすすめの本

吹奏楽 いきなり顧問に!? 指導初心者におすすめの本

表紙変えたのに、反映しないのはなんでだ。こっちになりました↓

指導者だって初心者時代はあります。そして、指導の上達法もあります。そんな内容を本にまとめました。自分の本をおすすめしてしまって申し訳ありません!でも、こういうアプローチの本が無かったので書いた次第です。

元々このブログでは主に演奏者に対して様々な記事を書いてきました。

吹奏楽上達法 どんな楽器でも上達への近道の練習法はある!

 

でも、自分の音楽の履歴を考えたとき、やはり「音楽指導側」で初心者だったことがあることを思い出しました。それなら、そういう境遇の人に対するノウハウも形にしたい!と本の形にまとめたものです。

 

吹奏楽顧問の初心者に向けたショートカット

吹奏楽部という業界、学校教育の中でのクラブ活動、という面から、吹奏楽指導に関する体系も非常にトラディショナルな側面が強くあります。

しかし、昨今の学生のマインドや環境などは大きな変化をしています。リモート講義やプログラミング授業など、世間のスピードに教育界が追い付いていない状況は、クラブ活動にも顕著にみられます。

そこで顧問に就任、となった場合、このトラディショナルな方法論をそのまま使って良いのでしょうか。

実際に指導経験も演奏経験も長く、IT業界での企画を仕事としている自分の視点から、数々の無駄部分を省いたショートカットを提案いたします。

ショートカット=ズルい?

ではありません。

先人たちが落ちてきた落とし穴にもう一度はまる必要はないのです。失敗があればそれをもう一度体験する必要もありません。新しい世の中で新しい失敗はあると思います。それはまた先の人たちに落とし穴情報として伝えれば、全体が向上していきます。

大いにショートカットを活用していただきたいと思います。

ショートカットをすべき理由1=時短はあらゆる面で正義

今の吹奏楽部は様々な面で時短をすることが有効です。

●人数が少なくなってきている

少子高齢化のあおりで、各地の吹奏楽部の人数が減っています。小さな編成でもしっかりした演奏を実現するには、個々の演奏者の技量を上げることが一番早い解決法。

ならば、初心者をさっさと上手にしてしまう必要があります。

吹奏楽器は、木管・金管、低音・高音、発音体の種類、などで様々な特徴や特性があります。しかし、自分の肉体を使って音を出す、という共通部分に着目すると、一つの原理で楽器を上達させる方法、というものも作れます。そんな本も書きました。

吹奏楽の全ての楽器に使える一つの上達法: 楽器を持つまえに読む本

●可処分時間の減少

かつてのような長時間活動は、生徒のためにも教師のためにもやめよう、という風潮があります。そのため練習時間そのものが短くなる傾向にあります。加えて、習い事や友達とのコミュニケーションに費やしたい時間もツールの普及とともに長くなっています。

であれば、昔のような練習時間が確保できないので、時短が必要になるのです。

●生徒の耐性

先輩後輩関係、ヒエラルキー的なものへの耐性はますます今の生徒では弱くなってきています。初心者から見て1年先輩の技量はやはり高い。そのような状況をさっさと通過させてしまい、バーチャルな上下関係期間を短くして、リアルな演奏家同士の切磋琢磨の状態を作ることがバンド全体のレベルアップにもつながり、離脱を避けることにもなります。練習時間が短くなった面を良い要素として活用してしまう事にもなります。

 

ショートカットをすべき理由2=先生の時間の確保

ただでさえ忙しい学校の業務。加えて部活に費やす時間。人間として豊かな生活を送る上でも、余計な時間はカットすべきです。

その余裕は、新たな学びにも自分の楽しみにも使えます。このことが普通に考えて指導にも運営にも良い影響をもたらすことは書くまでもないかもしれません。

この本では、先生の負担を減らすことができる方法を色々と提案しています。

・クラブOBの活用
・個人練習のシステム化
・これまで重要視されていた練習の大幅カット
・自主的モチベーションアップの向上方法

など。自分たちで熱心に取り組めるようになる方法論も数多く提案できていますので、いわゆる「手がかからない」クラブになっていきます。

この余裕で、ぜひ先生も吹奏楽の魅力を理解いただければ、より全体のレベルアップにもつながります。また、もちろん先生が吹奏楽を理解する時間もショートカットできます。

 

ショートカットをすべき理由3=レベルアップ

間違いなく良質の練習ができ、自主的に活動を勧められることで、バンド全体もレベルアップします。自分が指導しているバンドが上手である、ということ自体は顧問としてのモチベーション維持にも役立ちます。

また、コンクールという一大目標に対して成果が出てくれば、予算もアップ、団員も増える、という全体貢献もあります。もちろん人数が増えても、システマチックな運用が実現できていれば、比例して苦労する時間が増えるということにはつながりません。

また、良い経験を生徒に与えることができれば、卒業後も演奏を続けてくれる数が増えます。ロイヤリティの高いOBがたくさんいることは、その後の活動に非常にプラスになります。大きな意味でファミリーを作ってしまえれば、卒業生がうまく現役生の面倒を見てくれる形も作れます。

実際自分が出た中学校は、まさに自分がそのスパイラルの一期生となり、数十年で大きなファミリーを形成できています。自分の子供たちが自分が出たクラブで活躍して、さらにOBバンドでは同じ楽譜を吹く、などという形も実現しています。

いきなりそこを目指す必要はありません。一歩目がうまく踏み出せれば上に述べたような状況は勝手に育っていきます。

もちろん全否定はしません

トラディショナルな方法の全否定はしません。それまでの歴史をくつがえすような革命まで個人で背負い込む必要はありません。

かつての手法もリスペクトしつつ、できる部分で上手に現代風の考え方を取り入れていくことで、余計な軋轢も生じないように進めるのは大人の知恵です。

強豪校と言われる学校の指導法は、ある意味結果論です。それまでのトライアルで、「その学校・その環境・その時代・その指導者」だから通用していることをそのまま使うことはあまり得策ではありません。

なるほど、と聞いておいて、自分たちでできることをすれば良いのです。

なるべく余計なエネルギーはかけない、そんなことに役立つ本にしています。ぜひ、悩んだらお読みください。

 

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