音楽が仕事になり「音楽鑑賞」の趣味が消えそれでも聴く音楽(前編)

音楽が仕事になり「音楽鑑賞」の趣味が消え、それでも聴く音楽

このブログでは、色々な音楽や楽器にまつわる話をたくさん書いています。

しかし「リスニング」に関する話が無いということにお気づきの方はいらっしゃいましたでしょうか?

実際、その趣味はほぼ無いのです。理由があります。

楽器演奏は好き

幼稚園の時は友達と同じことがしたいから、オルガン教室に通い、そのあとのピアノはなんとなく流れで。

ここまでは特に音楽も演奏もそんなに「好き」と意識できてませんでした。お友達との関係性です。

好きになったのは中学校の吹奏楽部に入ってから。これも、実は一年生の時はそれほど情熱もなく。

一年の三学期に転校した先で、決定的になりました。

まず、周囲が上手であったこと。また、

波長の合う三バカみたいな関係の友達ができたこと。

さらに、この三バカが無謀な「金賞」という目的を掲げ、自分たちで主体的に動いたこと。

そこからは、もう楽器も音楽も好きで。今ほどリスニング環境が便利じゃなかったですが、結構聴いてました。

そのあと、大学までは結構演奏も楽器も聴くのもバランスとりながら。

大人吹奏楽

社会人になって作曲が仕事

ゲーム会社に入り、仕事はサウンドエンジニア兼作曲という仕事が始まったのですが、これが趣味が趣味でなくなる原因。

作曲は毎日試験みたいなものです。ゲームの開発も今ほどシステマチックじゃなかったので、結構アバウトな発注と確認で、毎日が駄目出しとの戦い。

作ってはゴミ箱、という感じで一日何曲、みたいな日々です。

そんな生活を続けていたら、ある日音を聴きたくなくなっていたことに気づきました。

同じフロアのヤツが、残業時間にそんなに大きい音じゃないけど音を流しながら作業。これが自分の事務処理の作業の邪魔になって。

作曲活動中に不要な音が入ってきたら仕事がしにくいのは当然です。でも、普通の事務作業にも邪魔になったのです。

それはなぜか。

音楽が耳から入ってくると、コード進行やメロディやベースラインやリズムが全部スコアのように頭を占領するのです。

そうすると、目は開いているのですが、事務処理の数字やらの情報がまったく脳に届かない状況になり。

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音楽を聴くのは仕事=でも分析

仕事で聴いている時もあったのですが、それがまさに上の状態。

心地よい音を求めているわけではなく、材料として徹底的に分析してしまうのです。

グラフィック系の連中は作業中に好きな音楽を聴いてましたが、作曲の仕事をやってるときには当たり前ですが人の音は流しっぱなしなどにはしません。

そうなると、車を運転する時も音楽はNG。信号の色も見えてないんじゃないか、というくらい、脳の処理を奪われてしまう。

気が付いたら音楽を聴かない人に

そんな生活で、いつの間にか「趣味で聴く」ことがなくなりました。

メディアや街から聴こえてくる音も、全部分解してしまうのはいまだに続いてます。

良い音楽こそやっかい

さらにやっかいなのが、「かっこいい、すごい、深い、良い」音楽が来た時。普通の人は困らないと思います。

自分はそういうのが来ると、悔しかったり反省したりしてしまうのです。なんで自分はできないんだ・・・と打ちのめされたり。

ダメな音楽もやっかい

逆に「ダメ、カッコ悪い、技術が低い」という音を聴くのも大変。改善点が次々浮かんできて、リアルタイム編曲が頭の中をかけめぐり、かなりのカロリー消費。

ピアノ譜

でも、空虚な生活・・・ではない

聴きたいタイミングの時は、自分で聴きたい音楽を演奏するから、仕事してるふりして聴きたい曲を自分で演奏してたりします。これなら、分析はある意味必要ありません。自分だし。

趣味で演奏する、はちゃんと残ってる状態なので、あまり音楽が砂漠のように感じるわけではありませんでした。

デザイナーも同じ!?

こんな話を転職先の小さな開発会社で話していたら、デザイナーの若者が、「ぼくも絵を見る趣味無くなりました!」と同じこと。

たまたまゲーム会社の中の話なので、こんな職種の会話ですが、映画作っている人、演劇やってる人、役者をやる人、歌手、多かれ少なかれこういう状況になってる人はいるんじゃないでしょうか。

もう少し大きいテーマで言うと、そもそもゲームを純粋に楽しめなくなってしまってます。中の人を想像してしまう。操作性が悪いと気になるし、セリフがなんでここでこれなんだよ、と気になるし、グラフィックもどうしてこの色をここで選んだ、と気になるし・・・

もちろん、全員がそう、ということはないと思いますが、ゲーム屋の仲間は割とゲームを遊ぶ時に評論家的に見てしまう、というのは言ってましたので、どの分野でも「あるある」かもしれません。

でも、聴くアーチストはいるんです

こんな状態でも、聴きたくて聴くアーチストもいるのです。やっぱり結構特殊です。

別の記事でゆっくり紹介してみます。

 

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