目次
吹奏楽上達法 楽器は勝手に震動してくれる。こき使おう。
音は物質の震動が空気の振動になったもの
まず、音は物質が振動し、その振動が空気を振動させることで生じます。
理系!
物質は素材や形や大きさや重さによって、振動しやすい周期を持つことがあります。例えば、1mくらいの鉄の棒を叩いてみると、叩く場所や強さを一定にすると、ほぼ同じ音程が感じらるケースが多いと思います。
その辺のものでも体験できます。
空のペットボトルの口に息を吹きかけてみてください。毎回同じような吹き方を心掛ければ、毎回同じような高さの音がするはず。(本当にやってみてくれた方、ありがとうございます)
音楽の前に、音は物理現象。設計ができるものです。
もちろん、物理学が発達する前、楽器としての利用法を整理する前から、経験的に作られた楽器がほとんどです。
でも、これがあとで分析すると奇麗な物理現象として整理されている形に収まっているのは、別の理由もあります。この辺も面白いのですが、説明は絶対長くなるから、またの機会に。
楽器の発展
皆さんの手にしている楽器。元々大昔から、
- 音を大きくしたい
- 安定した音程にしたい
- 演奏しやすくしたい
などのベクトルで発展してきましたが、最終的には物理現象にのっとり、現在のような形に進化してきたということになります。(長いけど、ここまで前提)
いきなりですが、少々難しい説明。
自励振動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%8A%B1%E6%8C%AF%E5%8B%95
自励振動(じれいしんどう、self-excited vibration、self-induced vibration)とは、ある系に非振動的な入力のみが加わる場合でも、その系自体の特性により系内部で非振動入力が振動に変換されて引き起こされる振動現象のことである。
なんのことでしょう。
ある『固有の鳴りやすい振動数』を持った物体に、一定の振動を持たない異なるエネルギーを与えても、物体が『固有の鳴りやすい振動数』をそこから拾って、動き始める現象です。
エネルギーが震動に変わる
つまり、
- 楽器になんらかの音響成分を入れる
- その入れたものにははっきりした音程が無い
- でも楽器側でより振動しやすい成分を拾い
- 正確な音程に変換されて出力
となります。
ビブラフォンを例にとります。
マレットによる打撃のエネルギーは最初は様々な周波数成分が混ざり、それだけでは固有の音程がありません。
でも、固有振動数を持つ板は、その中から自分が震動しやすい成分を拾い、音程がある音のみが出てきます。
少しわかりにくい説明かもしれません。原理は説明した通りですが、それによって起こる事、を見たほうが良いかもしれません。
楽器は勝手に鳴るようにできている
です。そのように発展してきて、今の形に鳴っているのです。いや、なっているのです。
だから、楽器を『一生懸命鳴らす』のではなく、『鳴るようにこき使う』というのが正解なのです。
ちなみに、大きな音を安定して長く出す、というときに、与えるエネルギーの普通のイメージはこんな感じでしょう。欲しい音量と同じだけの力を与え続け、音もそのように鳴る感じ。
しかし。楽器は勝手に震動しやすい要素を拾って、振動しやすい周波数で振動したいのです。なので、息を入れて鳴らすイメージは、下の図に近いかもしれません。楽器に慣れてくると、さぼっても大丈夫です。
一旦しっかりとした音になれば、あとはそれほどエネルギーを与えなくても、勝手に鳴ってくれるのです。なので、与えるエネルギーはそんなに必要がなく、グラフは下がっています。
大きく良い音を長く吹くのに、効率よくエネルギーを使うとこういう感じ。
(出し始めの時間の前からパワーを与えているのは、吹奏楽器は息を入れてすぐに反応してくれないので。この辺はそれこそ慣れてくれば勝手に身につくので気にしないでください)
今回の説明はあくまでもイメージです。最初のうちから息を下の図の様に使うと、普通に音量が落ちてしまいますので、最初は地道に音を出し続けてください。そのうち勝手にいつか身体が楽になる吹き方が身につきます。なぜなら、人間はさぼりたい動物だから。
なるようになる。楽器だけに。というオチ。
↓ならないようにする
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