- 1 吹奏楽部やめたい?ならば社会人バンド!無駄&謎練習と集団生活の難しさはガマンで乗り切れ!
吹奏楽部やめたい?ならば社会人バンド!無駄&謎練習と集団生活の難しさはガマンで乗り切れ!
この記事の内容を再構成して、書籍にもまとめてみました。やめたくなったらこの本を読む。そうすると、演奏は最低続けたくなります。
結論→社会人バンドがあればそっちに!演奏はやめないで!
楽器演奏=幸せになる手段
楽器演奏を始めた人は、とても幸せになる手段を手に入れた、と思ってます。
その間、ずーっと成長もできる
楽しむ音楽の範囲も広がる
色々な世代の人と楽しめる
自分も様々な音楽活動を通じて実感中!
その実感をふまえて、やめたらもったいない、ということを説明していきます。
■楽器演奏=レア経験
自分がいる吹奏楽部以外の周囲を見てください。クラシックでも使われるような楽器で楽しんでいる人はどれだけいるでしょうか。
入り口も狭いし、奥も深い。
なかなか普通の人が気軽に体験できる世界ではありません。
あなたは、それを行っている人なのです。
社会に出ていく中で何か特技があるのは、人とのかかわりにも自分の活動にも『よりどころ』が増えます。
それが困難を乗り切る時の道しるべに。それがレアならば、なお、威力を発揮します。
■練習場所問題
大きな音が出る楽器。なかなか自宅での練習はやりにくい。
クラブに所属していれば、
楽器置き場もある
練習場所もある
いっしょに頑張れる仲間もいる
これは、社会人になると、なかなか得られない『良い環境』です。
簡単に手放しては損です。
■この2つの理由だけでも続ける価値がある
これから説明することで納得できたら、ぜひ、演奏活動を継続してもらえるとうれしいです。
今楽器を演奏している人は、自分にとっても仲間。仲間は多い方がいいですもんね。
続けて欲しい理由をもう少し詳しく
1 一生の「もう一人の自分」
中学生、高校生くらいだと、学校での活動が生活のほとんどだと思います。
社会的立場は「中学生」「高校生」。さらに部活にいっしょうけんめいならば、「学生」+「部員」。
でも、これから歳を重ねていくと、大学生だったり社会人の立場を持ちながら、趣味の交流(趣味も増えていくと思います)、仕事以外の社会活動(地域での活動など)も増えていきます。
中学、高校は、過ぎてみれば「たったの三年間」になります。もちろん、その真ん中にいると気づきません。
あとから気付くものです。でも、多くの先輩たちは気付いてます。そういう先輩たちの声は、これに関しては信じていいと思います。(信じない方がいいこともいっぱい言うと思いますが…)
色々な活動は、それぞれ成長とともにもっともっと多彩に変化していきます。この3年間の経験で、そのあとを止めてしまうのがもったいない。
楽器演奏は、ずーっと形を変えながらも続けられ、さらに続ければ続けるほど成長ができて、楽しさの幅も広がっていきます。
色々な活動をしながらも、横にある「死ぬまで変化や成長をしていける自分」が実感できるのが、演奏活動です。
ぜひ、3年間、は乗り切って、むしろその先を見て欲しい!
2 入り口が吹奏楽→幅広い展開
吹奏楽で楽器を始めて少しずつ上手になってくると
- オーケストラに参加
- 小さいアンサンブル
- バンドに参加
など、形も、ジャンルも広がっていきます。実際に自分はこれらを経験できています。
今、困難なことがあったとしても、その先には無限の音楽の世界が広がっています。少しがまんして、今の状態を抜け出せば、自分で進む方向を選べます。
このがまんも、何から何まで悪いことではありません。
良く理解し、良い面に着目して悪い面の割合を減らしていく方法もあります。
3 レアですぞ
世の中に、ゴルフをやってる人、サッカーが好きな人、音楽を聴くのが好きな人、はたくさんいます。
でも、楽器演奏ができる人(しかもクラシック領域)はレア。
これは、いろんな意味で「使える」状況です。
部活の中だけを考えると、周囲はみんな演奏する人ばかりなのは当たり前、ですが、社会に出てびっくり、超レアなんです。
これを続けていければ、何かとよりどころになる特殊技能です。
人生のあちこちで、このレア技術やレア活動は活きてきます。
4 3年間よくがまんした、と将来の自分から褒められる
がまん、というのは大変です。
でも、人生100年のうちの3年。
もちろん、その真ん中にいるとそうは思えないと思いますが、歳をかさねると、「たった3年」でもあるのです。
先輩の言うことが全部正しいとは限りません。でも、この「たった3年」という感覚は、たぶん合ってます。
やめる選択より、その先を考えてがまんする選択をしてくれると、将来の自分から「あの時やめなくて良かったな」と褒められるかもしれません。
吹奏楽部、の中で出会った「壁」
吹奏楽部に入って、色々な壁が立ちはだかります。もちろんどのクラブ活動でもあるかもしれません。
自分も、演奏や練習のモチベーションを下げさせられるようなことにたくさん出会いました。
- 練習が大変(これは仕方ない面も)
- ちっとも楽器を演奏させてもらえない(1年生)
- 威張った先輩がいて怖い
- 変なルールがあって納得できない
などなど。
■先輩問題
始めたばかりの数年は、確かに先輩は上手に感じます。でも、本当にそうでしょうか。
002: 吹奏楽の部活の先輩、本当に上手?怖いだけ?(←こちらをご覧ください)
この先輩に威張られたり理不尽なことをされたり、ということはあると思います。
でも、1年後には居なくなります。自分が『良い先輩』になれば良いのです。
■クラブのルール問題
変なルールだな、と思うことはあると思います。
今、自分で変えられなければしばらくがまん。これも先輩問題と同じ。
自分でクラブのルールを作れるようになったり、自分が指導する立場になったりした時には、ぜひ、よい環境を作ってください。
吹奏楽部(今は吹部)に入って、やめたい、となる原因は色々なところにあります。でも、上で伝えたように、なるべくみんなに続けて欲しい。学校を卒業しても。
そんな願いを邪魔する、各学校の変なルールをしらべたら、吹奏楽あるあるができてしまうかもしれません。
でも、このブログは、恐れずに
- 無駄は無駄
- 回り道は回り道
と主張します。正しい情報を知って、最短で上達をめざし、楽しいクラブ活動にしたいものです。
思い起こせば、ありました。無駄ルール
(回想シーン)
中学校入学と同時に吹奏楽部入部。何も疑問に思わず、言われるがまま状態。色々なことをやってきました。
高校に進学してから、さらに大学、社会人、となるにつれ、中学時代の行為に疑問が湧いてきました。
振り返ってみましょう。
まず、トランペットを希望して入学。そこでなんと数か月、トランペットに触ることができませんでした。
何をしていたかというと・・・
- 全員がスティックを持ってパーカッションの基礎打ちを毎日
- 校庭を10周
- 腹筋100回
- 三年生が一年生を指導
- マウスピースだけで曲を吹く(当時Tp.でした)
- 楽譜は必ず写譜、その際ペンで。修正液禁止。
- 言われたことは全部楽譜にメモ
転校してるので、2つの学校で体験したことです。
忘れてることも多数ありますが、こんな感じでした。
でも、日本中の吹奏楽部を見れば、もっと変なことやってる学校はありそうです。
008: 吹奏楽上達法 筋トレは必要?意味ある?→演奏が筋トレです
↑筋トレは違う意味では必要です。こちらをご覧ください。
全部無駄だったんじゃない?
今自分が思うのは
全部無駄
と思っていいかな、と。
ここで読み物としては終わりません。なんで無駄と思うか、の理由をしっかり書いてみます。もちろん、改善案も。
一つ一つ見て行きます
①全員がスティックを持ってパーカッションの基礎打ち、しかも毎日
→完全に無駄とも言い切れないが、毎日ということと、木の板を叩く(楽器が人数分ないので)、ってのがよろしくない。
→やるなら、入部して間もないころにちゃんと音楽の基礎を教えながら期間を決めるべきです。リズムを感じること、コントロールすること、はやはり音楽の基礎。行為そのものには利点もあります。
でも、パーカッション奏者として育てるのでなければ、ある一定の段階で頻度を落とし、担当の楽器の習得に時間を割り振った方が、バンド全体の力量は上がります。
さらに、どうしてもやらせたい場合。
できればコストはかかるかもしれないけど専用の練習台やスネアを使った方が手首に負担もかからず、スティックの正しい使い方も覚える。疲れた状態での無理な練習は無駄の極致と考えます。
さらに、この練習が今後のどの部分にどう役立つか、をしっかり説明せずにやらせているのも問題。
とにかくやれ、はダメです。やる側にももったいない状況です。納得し、理解し、身に着ける、を基本としたいです。
長くなったので、次からは簡単に。
②校庭を10周
→無駄です。
→その時間楽器を持ってフレーズ集を練習すれば早く上達する。楽器に必要な体力は楽器を練習することで身に付けられるし効率的。
→健康にはいいかもしれません。
③腹筋100回
→②と同じ。床は汚いし。
→楽器練習するより優先されるものでもありません。という②と同じです。
④三年生が一年生を指導
→ある意味しょうがないが、下手が下手を教える形であることは、指導側も認識し、極力避けたい。
→顧問の先生には、以下を責任もって守ってもらいたい。
どうしても三年生が教える必要がある場合は
- 練習プログラムを確認
- できればちゃんと練習を設計すること
- それを制御すること
- 三年生に威張らせないこと
が必須です。上の3つを中三の生徒に任せないことが重要です。
→さらに、できれば専門のトレーナーを定期的に用意すること。
金が無い?時間が無い?そんな声が聞こえてきましたが、補助金というものがあります。文科省の教員補助プログラムがあるので活用すべきです。自分もそれで雇われていたこともあります。
また、大学オケレベルのOBと日頃仲良くして、昼飯だけで来てくれるようにスパイラルを作ることは重要です。自分が良い思いをすれば、現役生が卒業して音楽を続けていた場合、将来恩返ししてくれます。
→自分が中三の時を振り返ると、音楽に関しては下手でバカでした。もちろん、先輩ヅラしてたふるまいも。
3年生に色々とやってもらわない方が良いし、やってもらわないといけない場合、大人がコントロールすべきなのです。
⑤マウスピースだけで曲を吹く(Tp.)
→楽器はマウスピースと本体で鳴るように設計されてます。マウスピースだけの練習は楽器の練習の代わりにはならない。
マウスピースで発生した音の成分は、最終的に楽器で外に出力されるものとは異なります。一つの音響システムとして、不安定で混ざり物が多い入力を、最終的に出力に整えるのは、マウスピースを含めた楽器全体です。
マウスピースのみで、これを追求する必要はありません。楽器全体としての響き方で、徐々に効率化を身体で覚えていきます。
→音色やアンブシュアが乱れたと感じた時の確認等、完全無駄ではないので、必要な時だけ、目的に沿った正しいやり方でやる。
⑥楽譜は必ず写譜、その際ペンで。修正液禁止。
→コピーができるならそれ使えば、写譜時間に練習できる。
著作権問題などがありますので、本来は原本を人数分揃えることが必要です。しかし、写譜をするなら、あるあるかもしれませんが、謎ルール的に蔓延している「修正液使っちゃダメ」規則ほどばかばかしいものは無いです。さっさと写譜を終えて、練習した方が良い、というのはわざわざ書いているのもバカバカしい。
もちろん、写譜をしながら自分が吹くべき音を確認する、という効果も無くはない。でも・・・
→楽譜をしっかり読ませたいなら楽器を持って音を出しながらやった方がはるかに効率的。
→写譜をするなら、さっさと終わる。音楽の確認は楽器を持ってからやるべき。
⑦言われたことは全部楽譜にメモ
→楽譜を汚すだけです。必要な情報は最低限楽譜に書いてあるものだから。だいたい練習中に言われた内容は覚えられます。それを超えた情報は結構無意味なものも多い。
真っ黒になった楽譜は練習の証でしょうか?いや、メモを書いていた時間の証です。その時間を練習に充てれば、もっと上達します。
では、何を書くのが正解?
楽譜には無い、指揮者が自分のやり方を反映した間やリタルダンドの始まりポイント、など。短期間でバンドとしてアーティキュレーションを仕上げる時に書くのは有効です。
そもそもなんでも書くと何も覚えなくなるので、なるべくメモしないのはある種の訓練になります。
もっともっと変なルールはありそう
ツイッターで見かけたのは、
・小節番号を全部楽譜上に入れておく
→●●から何小節目、とか記号で言えばいいのに楽譜を無駄に汚してます。まったく謎だなー。
・コントラバスの音が聴こえないと怒られる
→一本でそんな音量出るわけないじゃないですか。(自分なら出せますが!)
・おもりをつけたひもを括り付けた棒を巻き上げる手首鍛え(打楽器)
→そんな動き演奏でしてます?
・同じ髪型にさせられる
→音が良くなるの?好きでいいですよ、そんなもの。
・間違えた人がいると最初から。できるまで。
→いや、誰かがどこかで間違えることはあります。異常なストレスは音楽表現の無駄そのもの。萎縮しながら吹いても小さくまとまるだけ。加算方式で上手になっていきましょう。
・廊下の挨拶を大声で
→人として普通なレベルでいい。それの説教で練習時間減らすな。
これはこれで集めてみたいです。ついでに集めたことで、これ無駄だったのか、と渦中の人が気づけば世の中良くなりそうです。
謎ルールはツイッターではネタになります。そんな程度の価値しかありません。
おさらい!1番重要なのは「練習環境の確保」のための少々のがまん
ここはかなり重要です。
文科省の傘の下にいる学校で、さらにその施設や職員や時間を使うクラブ活動。集団生活がどーのこーの、の教育的側面がどうしても出てきます。
この集団で活動するクラブで、自分だけ拒否などもしにくい。
ここで読んだ内容は、本質的には無駄なものだ、だから、なるべくそれに費やすエネルギーは節約する、という程度で考えてください。
ルールに納得できずに退部、などになったら練習場所がなくなってしまいます。
大きな音を出して良い環境は、そう簡単には学校以外では見つかりません。
でも、我慢がならない!となれば「社会人バンド」
演奏活動はやめないで済む方法を考えてください。
周囲に社会人バンドがあれば、そっちで楽しめば良い。
もし、そういう環境が無い場合、やめたら活動機会そのものを失うことになります。
まずは、練習環境を得ること、というのは重視してください。
社会人バンドが周囲に無い場合は? 作ればいい
そんなときこそ、ネットの力。
一人の練習より二人、二人より三人。ツイッターなどで練習仲間を募集してしまい、小さなアンサンブルから始めてみましょう。
部屋はカラオケボックス。ちゃんと支配人に確認して問題なければそこ。
もしなければ、公民館などの音楽室、というのを借りれば無料です。
大きくなってきたら、最初から公民館を借りるのが一番です。
自分から動けば仲間はみつかります。場所は役所に相談すれば、どこかを無料で借りられます。
さらに大きくなったら、自分で社会人バンドを作ってしまえば良いのです。
ちなみに、自分は職場で最初トランペットとチューバの同僚がいたので、そんじゃトロンボーンやるか、とトロンボーンデビュー。
三人用の楽譜はこれもネットで。自分の場合はゲームの曲を編曲しました。ファミコンは音程が出るトラックが3つなので、ちょうどよかったです。
その会社は辞めてしまいましたが、今吹奏楽部としてちゃんとした体制になり、100人超えているらしい。
学校の謎ルールがなくならないなら前向きに無駄を考えよう。
走るのも腹筋も、楽器上達に直結する要素が少なくても、身体を鍛えるのには良いことです。
それはそれでやっておいて、他の時間を効率的に過ごせばいい。髪型もそうしろっていうなら、毎朝考える必要もない。
どうせ人生の中でほんの短い時間。我慢して別の良い部分を享受する、と割り切るのも手です。
練習場所も楽器も確保できる環境は貴重ですので。
将来は
自分が先輩の立場になったら、できることから改善してください。
分からないことは顧問に相談。
改善を進める顧問に当たったら、こういう意見もあったと紹介してみてください。どのみちたったの3年間。ちょっとの辛抱です。
身体を鍛えたいなら普通に専門のサービスがあります。吹奏楽の練習時間は楽器を練習したいです。