発想力を伸ばす・訓練手法2 発想力を伸ばす最初は不満点を出す
駅をより快適にしてみましょう!と言われた場合。
先にアイデアを出さないことが大切です。
その前にじっくりとエネルギーと材料を溜める作業をやってみることをお勧めします。
そのための方法を今回は解説します。
発想力がすごい人、とは
すぐに改善点や違うやり方のアイディアが出てきます。しかも、実用的。
すごいなー、と思いますが、実はアイディアがいきなり出る前に、超高速で取捨選択が頭の中で行われているのです。或いは、ある話が始まった時から、整理された引き出しがもう特定できている。
これから発想力を伸ばしたい人は、この状態を作る準備が必要になります。
いきなりできるようになるのは難しいですが、順を追っていけば、この状態に近づくことはできます。
発想力をこれからつけるための第一歩は「不満」を出すこと
アイディア出してみましょう、で考えが止まってしまう。
これは、頭の中に引き出しが少なく、さらにそれが整理されていない人にとっては普通の状態です。
実は、すごい人は、ある種の作業を頭の中で順番に整理しながら行っているのです。その順番で達人の流れをシミュレートしてみます。
まずは、ある場面を想定して「不満」を出してみます。
不満、と書きましたが、感情的な要素は不要なので、他の言葉でもいいかと思います。
- 不具合点
- 不便な点
- 使いづらい点
- 改善すればいいのにと思う点
- 課題点
- 解決課題
など。
メモは取ってないと思いますが、一日生活をすると、実はこういった点にたくさん出会っていると思います。いや、思いつかない、という人も大丈夫です。思いつける方法論もこれから説明していきます。
自分の体験から「意識的に」不満を出す
まずは自分の体験は一番分かりやすいし、毎日がその現場です。移動する、買い物をする、テレビを見る、パソコンに向かう、料理をする、掃除をする、人に連絡を取る、ゲームで遊ぶ、など、全ての行動の中に、「満足する点」「不満な点」があります。
ただ、それをいちいち意識してないだけです。
発想力が欲しい人は、恐らくこれから発想を使って何かを良くしたい、提案していきたい、という立場だと思います。
そのような「出し側」になる人は、これらの状況を「無意識」から「意識」に引き上げると良いと思います。
次に他人の体験の想像ができれば
自分の体験は誰でも思い起こせます。しかし、これだけだと発想の幅は自分の持ってる体験止まりになります。
次にやるべき事は違う属性の人を想像しながら。
いかに、その人になり切る、という想像ができるか?ということがポイントになります。
これも単純に想像しろ、ではなく、具体的な場面、具体的な他人象を考えることで、それほど難しくない作業になります。
「駅」を題材に「他人」を想像してみる
前の項目で、「発想の訓練をするために制限」が効果的、という話をして、さらに題材として「駅」を上げました。この駅には自分以外に色々な人が利用しています。
- 外国人
- 初めての利用者
- 乳幼児連れ
- 車椅子の人
- 目が不自由な人
- お年寄り
- 子供etc.
それぞれの立場で、それぞれの使い方をしているはずです。上記の人たちだと、何が困るだろう?と想像をすることがやりやすいと思います。
他人のことを想像する、というのは単にアイディアを出しやすくする、という目的だけではありません。
自分のためだけのサービスを作る、ということはほとんどないからです。サービスの企画は、他人の便利を作る事。
であれば、他人をどう想像するか。
この時、範囲を制限し、具体的な他人像を一つ規定することで、発散せずに想像を深めることができます。
ここまでの流れ
いきなり全部の項目を読んでいきなり進める、というよりも、最初から一つずつやっていく方が理解はしやすいと思います。
ここまでの流れを書いてみます。
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発想は筋肉と同じ、いつも考える
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考える時に制限を付けて集中する
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制限の一つとして「駅」を題材に
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まずは自分が思う不満を出す
-
次に特定の境遇の人を想像しながらその人の不満を出す
-
さらに他の境遇の人でもやってみる
一度これをやっておくことは、今後の発想力を伸ばす上で、結構役立ちます。
実際にやってみる場合の例
ここまでの情報で、実際の練習を行うことができます。簡単に流れを作ってみます。
➀駅を使っているシーンを想像し自分の行動から不満を出してみる
- 10項目は出す
- なるべく具体的に
- 10分程度で終了する
②外国人が困りそうなシーンを想像し、不満を出してみる
- 基本は日本の駅を外国人旅行者が使う想像
- 自分が外国に行った時も想像
- 10項目、10分目途
➂車椅子の人が困りそうなシーンを想像し、不満を出してみる
- 目線、手が届く範囲、段差、などを具体的に想定してみる
- 10項目、10分目途
④視覚に障害がある人を想像し、不満を出してみる
- 完全に見えない人ばかりでないことに注意
- 視覚が狭い範囲、暗いと見えにくい人、なども想定
- 10項目、10分目途
⑤赤ちゃんを抱いているお母さんを想像し、不満を出してみる
- 手がどうなっているか、重い、などを想像
- 10項目、10分
⑥お年寄りを想像して不満を出してみる
- 運動能力
- 視覚や聴覚
- 10項目、10分
これらは例なので、色々な立場の人を決めてやってみることで、想像の範囲を広げる訓練にもなります。また、最初の一回は本当に現場にでかけて、10分ごとに自分が別の境遇の人になり切ってやってみることも効果があります。