012: 音声合成の正しい使い方 あの地方の方言なら・・・

音声合成の正しい使い方 あの地方の方言なら・・・

方言と標準語の違い

方言は苦手、と言いましたが、音声合成があつかう「標準語」との違いはどこにあるのでしょう。技術から方言を見てみると、

  1. 言葉遣い(文字そのものの違い)
  2. イントネーション

が支配的です。

①の、言葉遣い。例えば、召し上がれ、が、ある地方なら、「けー!」の一文字に。これは、辞書にそのように載っていなければ対応ができません。

②のイントネーション。文字では同じですが、イントネーションが部分的に違うもの。これは、もうCPUから見ても見分けが付きません。

そんななかで、文字は同じでイントネーションが違う、②だけが違う、という方言があります。

北関東の傾向

割と南関東の標準語に文字は近いです。でも、聴くと確実に違いを感じます。

それはなぜか。イントネーションです。

音声合成のイントネーション制御記号を全部はずすと、結構北関東っぽい響きになります。

なぜそうなった、は日本語学者に任せまして、音声合成でどうなる、というのを聴いてみてください。

今度、地元の野球クラブのみんなで、六本木に行くことになったんです。六本木に行ったら、クラブで遊ぶつもりです。これが、どうなるか。全く同じテキストで、アクセント制御だけを外すとどうなるか。今度、地元の野球クラブのみんなで、六本木に行くことになったんです。六本木に行ったら、クラブで遊ぶつもりです。なんか、あの芸人に似てるよねー。分からないけどね。

方言・・・日本全国、東京も

方言=田舎、ということは考えてません。自分自身、博多弁、名古屋弁、京都弁、埼玉弁を使いこなすマルチリンガル。それぞれの地方の文化や歴史が言葉になっている。つまり、どの場所にも歴史や文化を反映した言葉があります。

東京にも東京弁があります。ニュースでしゃべっているのは人工言語、という話題も出しました。

011: 音声合成の正しい使い方 方言は苦手(←リンクはこちら)

でも、今回の北関東の「イントネーションの違いがほとんど」というパターンは、言語学者ならばかなり気になる現象じゃないかと。少なくとも、音声合成遊びをするまで気付かなかった要素です。

クラブとラブ。いや、分かる様に書くと、 ↑ク ↓ラ ↓ブ と、 ↓ク ↑ラ ↑ブ。これはどういう現象だ。

引き続き、方言については言語学的にも面白いので、ちょこちょこ書いていこうと思います。

ちなみに、この人たちのしゃべりを頭に入れて書いてました・・・このような方言はあまり他にないので、特別なケースではあります。

 

あと、この人。

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