ゲーム開発者が設計してきたこと 3.ループ進行 ゲーミフィケーション的には?
前回、年間の数学のカリキュラムを効率よく習得する手段として、細分化が有 効、という事を書きました。
細分化により、小さいエネルギーで小さい単位を進め、それにより脱落時の落ち込みを小さくし、結果、リカバリがしやすい効果が期待できます。この効果をさら に確実にするための手法を説明いたします。
一つずつをループ進行できるようにすることが有効
標題の通り、細分化した一つ一つのタームをループ化することです。
ループ化、というのは何度も同じところを通ってもらう。その条件としては、 「習得が終わるまで」ということです。
習得が終わらなければ、先に進ませない、という言い方もできます。
絵で描くとこんな感じになります。
テストの結果が悪ければ、もう一度学ぶところからやり直し。それができたら、次のタームへ。
一見、なんにでも応用できそうで、特に教育がこうだったら?と考えそうですが・・・
教育にそのまま活かせない点も
実は、同じ時間で異なる成績の学生が混在する場合は、この方法は取りにくいという欠点はあります。この方法をうまく使える条件は、
各々の人が違う時間軸で進行できること
になります。そのため、ゲームではそれが可能。さらに、教育方面では、同じ教室で異なるテキストをやっつける公文式や、オンラインの塾などがこの方法を取って成果を上げています。
ゲームではどんどん使われているぞ
ゲームでは、ある村に出現した邪魔なモンスターを倒さないと次の村に進めな い、というような行動の区切りが良く出現します。
この倒す作業で、例えば攻撃 手法を一つ習得するわけです。これを習得しなければ、次のステージで苦労す る、というような事態を避けることも飽きずにゲームを進めてもらう重要な目的 です。
分数の約分を覚えたら、次に掛け算や割り算に進む、みたいなものでしょうか。
効果をおさらいすると・・・
- 小さい単位なので、理解も用意
- 小さい単位なので、脱落してもロスは小さい
- 小さい単位なので、取り返すエネルギーも小さい
- 小さい単位なので、それをできるまでループする
ということですね。
次回は、さらにこれを「幅広い層のユーザーにどう適用するか」ということにつ いて説明する予定。