ゲーム開発、ユーザーをどのように誘導したかったのか
これまで、ゲーム業界が達成してきたかった「大目的」を考えてきました。
実際にゲーム業界が行っている大きな3つの作業、その中で数々の工夫が誕生しては消えて、残って行きました。
もう一度大目的をおさらい
そもそも、不必要なものを「継続」させることでした。
そのために、ユーザー側の行動としては以下のことを達成する必要があります。
- 飽きさせない
- 迷わせない
- 脱落させない
- 最後まで連れて行く
どれも「絶対に提出しないとダメな税金の申告」などでは、ある意味やらないと死んじゃう系なので、これらの要素が皆無でもやってくれます。
ゲームでは①②③④全部がないとダメ。
もちろん、税金の申告サイトもこういった工夫を徐々に入れ始めていますが、デバグも含め(後述予定)まだまだ工夫の余地はありますね。コンサルしたいです。
それぞれの要素を解説
特に解説は不要かと思いますが、まずはそれぞれ反対の言葉に置き換えてみればわかります。
- 飽きさせない←→飽きてしまう
- 迷わせない←→迷ってしまう
- 脱落させない←→脱落してしまう
- 最後まで連れて行く←→最後まで行けない
なんかこのゲーム、売れそうにありません。
やはり、気が付いてたら夜も更けていた・・・系ののめりこみを作りたいものです。
一つずつ要素を見て、一般サービスにどう適用できそうか見て行きます。
①飽きさせない←→飽きてしまう
「飽きてしまうこと」は間違いなく、ゲームならご法度。でも、一般サービスでも同じです。
いいサービスなのに、最初の登録作業が非常に煩雑、しかもたくさん入力が必要・・・その作業に飽きてしまい、サービス登録を完了できなければ、大事なお客様を逃すことになります。
なので、飽きないような仕掛けは必要。それは・・・はこのあとに具体例を出していきますので、まずは飽きることがいけないこと、というのをここではお伝えするだけにします。
②迷わせない←→迷ってしまう
これもゲームではやってはいけないことですが、同様に一般サービスでもよろしくないことは言うまでもありません。
サービスの中身を享受したい人にとって、その前のプロセスで迷うことは負荷そのものです。早くサービスにたどり着きたい、楽しみたい、という欲求よりも、この迷いが大きかったりすると離れて行く原因にもなります。当然、これに対しても対処はあります。でも後程。
③脱落させない←→脱落してしまう
これはもう。ゲームもエンディングまでプログラムしたのに、そこまで進めてもらえないタイトルのいかに多かったことか。
もちろん、一般のサービスも同じ。ここまでやっていただければ神髄に触れられるのに途中で退会…などは普通にあり得ます。ならばどうするか。・・・これも後程。
④最後まで連れて行く←→最後まで行けない
やっとボスを倒してエンディングが始まる・・・これはゲームを購入してくれた人がある意味幸せの絶頂にある瞬間かもしれません。達成感、これまでの苦労を思い出す、友達と意見交換して悩んだ日々を思い出す・・・文字ばかりが画面に出ているかもしれませんが、こんな人たちが遊びをつくってくれたんだなぁー、と思っていただける・・・
と考えて作っても、ここまで来られないユーザーもたくさんいます。
そのユーザーは、このタイトルに対して未達の事実を自分のせいにしたり作品のせいにしたり、或いは勉強しなくちゃいけなくなった環境のせいにしたり、いずれにしろ、良い思い出にはなりません。そうすると、続編を購入してくれる顧客ではなくなる確率も高い。
なんとしてでも最後まで連れて行きたい。
もちろん、これにも工夫が色々と適用されました。
このあと、具体例を少しずつ出していきます。