ハモンドオルガン ロックの名曲を数々残す名器。中古でいくらなの!?
最終的にデジタルに取り込まれてしまった、ある時代のスタンダードたち。
Rhodesと非常に似てる生き様かもしれません。
元々パイプオルガン(Rhodesの場合ピアノ)→電気的に再現→時代を席巻→電子の力で真似され音色名の一つに
という流れ。
イシバシ楽器で入荷があったことも!まさにビンテージです。
教会からポップスに
教会の音楽を奏でる楽器として、ものすごい方向に発展していったパイプオルガン。
楽器として考えれば建屋を反共装置とみなして世界一の大きさでしょうか。
そう簡単にあちこちにはおけません。
それが電気的に再現され、教会に普及・・・
だけでなくポップス方面で時代を築きます。 代表的なのは…と書いただけで論争が巻き起こりそう。
個人的な感覚で、印象の強い演奏をあげてみます。
個人的印象の強い演奏
曲名や演奏者やグループ名入り乱れますが、
ELP
青い影
ジミー・スミス
ディープ・パープル
などなどが頭に浮かぶと同時に音も浮かびます。あれがない、これを忘れるな、というお声も聞こえてきそうです。
ここに挙げただけでも別の側面も見えます。それは。
色々なジャンルに使われた事。
しかもそれぞれのジャンルをよりエンハンスする奏法のバリエーションも。
ビャーッて連続音を鳴らすだけでなく、音階のあるパーカッションですかっ!とか、ギター先輩(どっちが先輩か確かではありません)と張り合う速弾き!とか。
懐も深い。
特殊スピーカーも含めて楽器
楽器の仕組みとして一個面白いのは、増幅をひとまかせにせず、「レスリースピーカー」を使って最終的に音が完成するところ。
スピーカーがモーターにより、ぐるぐる回るのです。
ドップラー効果、指向性の変化が音に影響を与えます。
ビブラフォンもグルグル回る丸い板あっての「ビブラ」なのと似てます。
デジタル初期は大切にされた
そんなハモンドオルガンですが、デジタルの時代の初期に便利な特長も。
それは、
比較的波形が安定してループが小さいデータで音が作れた
波形も安定してるので倍音を加算した状態でのループも作りやすかったこと
(1度と5度を重ねてループ)
後者は1トラックで厚い音を作るのに役立ち、同時発音数が少ない時に雰囲気を作るのに役立ちました。
当時、自分が作っていたゲームマシンの音は、同時8音。
でも、SEがインタラクティブで忙しいから最初からそこに2音取られたりして、6音で創る、みたいな事が普通。
その前の、3音+ノイズ、から見ればそれでも「やったー」でしたけど。
そんな時期にこの音のイメージ、演奏イメージには助けられました。今でもハモンドオルガンには足を向けて寝られません。
しかしデジタルの後期には・・・
そのシミュレートしやすい特徴から、かなりあっという間に、シンセサイザーの音色の一つとして取り込まれてしまいました。
ロックオルガン、といった書き方がしてあったら、絶対ハモンドがオリジナルですね。
ローズ、ハモンド、クラビネット・・・なんというか、アナログの技術を駆使してポピュラーにしていったら、最後は「データ」に・・・
なんとも寂しい感じです。
そんじゃ、中古で買うかと言いますと・・・
無理!
いわゆるキーボード弾きとしてちょっとバンドで使ってみたりしました。
無理。
どう弾いても「電気オルガン」になってしまう。
ハモンドの匠たち。それまでの名演たち。
なんて工夫され表現を磨かれていることか。
食い気味に「無理」って言います。
もちろん、本家も取り込まれてばかりじゃなく、自分で最新技術を使ってるぜ!