0035: Rhodes エレピ=ローズ=定番

Rhodes エレピ=ローズ=定番

最初は廉価版、中期は主流、後期はデジタルに敗北

戦地で兵隊の慰労のために音楽を、ピアノは高くて重いからこれ、という産まれとWikipediaさんにあったのを読んだことがあります。

そもそもチューニングが必要なピアノは、長い距離を運んだり時間が経つとだんだん音が狂ってきます。

アメリカの荒野の酒場にピアノを届けようと幌馬車でガタガタ輸送すると、ホンキートンクピアノになる訳ですね。

今でも本場の音を求めるために、わざわざ当時の様な道を馬車で輸送してデチューンする業者がアメリカには居ます。

今、サラッと嘘を書いたつもりですが、居たりして。

仕組みと音

Rhodesは金属の棒をハンマーで叩く仕組みなので、チューニングも狂わない。さらに製造も楽、という事です。

ですが、弦を叩くのではなく、金属パイプを叩く。安定はしても、音はピアノとはかけ離れています。

そのため、ピアノを求めていた人からは評判は悪かった様です。

しかし、あの澄んでいながら金属的なサウンドが徐々に求められる事に。

効果的な使い方をしたミュージシャンの出現

チック・コリアなどはアイコンサウンドと言ってもいいくらい多用しつつ楽器の表現を引き出してました。

ハービー・ハンコック、ジョー・ザビヌル、スティービー・ワンダー、など錚々たるプレーヤーが好んで使った事で、当時のクロスオーバー、新しいJAZZでは欠かせない楽器に。 ここが絶頂期ですね。

ほらほら、このエレピ、コントラバス、フルート。

日本でもユーミンの初期の曲は、Rhodesじゃなきゃその世界は作れなかったんじゃ無いか的な。 丸山恵子の「どうぞこのまま」も効果的で…

発音のシンプルさゆえの弱点

しかしですね。

この簡単に作れる構造がデメリットになります。
発音体に音叉のようなストレートな音を出す金属棒を使った事で、波形も比較的キレイ。アタックの部分もノイズ成分がほとんどないのも特徴。
いわゆるデジタルシンセが出始めた時、かなり近い音が計算でも出せ、さらにPCM時代はまんま取り込まれてしまい、音色の一つになってしまったのです。
オリジナルのアナログ時代は様々なアナログエフェクターでオーバドライブ気味に使われたり、ロータリースピーカーでAM変調的な音も使われたりもしてましたが、シンセだとその辺も再現されてしまい。
でも、音色は不滅。 そうなるとオリジナルの楽器に回帰現象が起こり、レア楽器が高値で取引…
ともならず。大量生産に向いてる構造がここでもデメリットに。 市場にたくさん中古が出回ってて、案外手に入りやすい。 自分も譲ってもらう話もあり置く場所も確保したのですが、色々あってまあいいか、と。 今欲しい…

完全にシミュレートされちゃった音源データ、でも持っておいて損はない。

チックコリアの使いまくりアルバム

 

Rhodesピアノ
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