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大合奏!バンドブラザーズは楽器である! switchで新作出ないの?
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バンドをモチーフにした「楽器ソフト」という、唯一無二のジャンル。
開発者もごりごりの演奏者でしょう。音ゲーとは違う、「音楽ゲーム」を目指し、完成したこのゲーム。
なにやら初期のシステムでほぼ出来上がってしまい、今の展開になったのか・・・
ちなみに、「楽器ソフト」と任天堂は称しています。
このソフトはゲームなのか?楽器なのか?
このブログのカテゴリーの「超私的楽器論」というコーナーで取り上げるのですから、楽器なのです。
じっくりと要素を考えれば、バンドブラザーズは立派な楽器なのです。
そもそも楽器って何、というところから掘り下げてみます。
楽器と楽器じゃないもの、の定義はそんなに簡単ではありませんが、自分の中では、
- 自分で出そうと思った音を出せる (技量で出せないのは除く)
- 音を制御するのは自分の時間軸
- 意図したアクションと出る音は決まっている
ということ。 なので、ルーパーは楽器になる境界かなぁ。
バンブラは、この要素を満たしています。なので、自分の中では「楽器」。
楽器屋には置いてなかったかも!?
音ゲーとの違い
ゲームの中で、「音ゲー」という領域があります。それとは立ち位置はだいぶ違うと思っています。
バンブラは「音楽ゲー」でしょう。音ゲーも定義は色々とあると思いますが、良くあるタイプは、「音に合わせる」ゲーム。対してバンブラは「自分で音を出す」ゲーム。この差は大きいと感じています。
どちらもタイミングに合わせてボタンを入力する、という点では似てますが、
- 出力されたものが、人間が作った時間軸であるか
- コンピュータが用意したものか
という点では明確に異なります。もちろん、自論ですので、正解かどうかは分かりません。音楽屋だった自分の感覚です。
他にも「不思議要素満載」なタイトル
バンブラの画期的なところは、唯一無二の「音楽ゲーム」であるだけではありません。
他にも色々変なところがあります。
まず、あの会社の作品にしてはアクの強いキャラを前面に出している、というところから始まって、
- 露出多め
- 顧客をしもべ扱い
というなかなか攻めた世界観です。これはゲームとしての位置づけにも大きく影響している、というのは読みすぎかもしれません。
また、音声合成を使ったラジオコーナー、というのも、このブログとしては着目せざるを得ません。スッポン放送、ナイスです!
音楽的に「合奏」を深掘り
音楽的に表現すると、「リズムに合わせて」「自分のパート」を入力(=演奏)すること。
さらにそのパートも選べる。この時点でも楽器感がただよいます。
DTMツールの側面も強くて、リアルタイム演奏が苦手な人もじっくり音が作れる、というところも間口を広げていますが、楽器として今回は語りたいので、こっちの説明は割愛します。
頭に「大合奏」とついているところも、このタイトルの位置づけを明確にしています。
音楽の楽しみの一つの「合奏」。吹奏楽、オーケストラ、バンド界隈の人たちには特に説明するまでもないなかなかカロリーの高い遊びです。それを、ゲーム機で味わえる、という趣向は大変画期的。
この合奏という行為は実は強烈にレアです。
吹奏楽・オケ・バンドにすっぽりはまると見えにくいのですが、なかなか普通の生活をしていても「合奏」は味わえません。それが手元で実現できてしまう。
実際、プレーする感覚は、吹奏楽やオケやバンドで行う行動と結構類似しています。
初見で演奏すると演奏経験に比例したデキ
間違えると間違った音になる
間違ってもそれはそれで「音楽」
自分の音は自分で制御、誰も助けられない
初心者なりに楽しめる
でも、やればやるほどしっかり上達
etc.
比喩ではなく、楽器に近い、と考えてます。
楽器的なところ
他の楽器との類似点もみてみます。
まずは、ちゃんと「下手」から始められるところ。楽器としてのお作法を覚えるまでは、他の「音ゲー」達人の人もちゃんと苦労できます。
さらにこの苦労。「楽器経験者」だと、既に通った道と要素は似ているので、その後の上達曲線は経験量に応じて変化するところも楽器に似ている。
楽器として考えられる要素はまだあります。 スコア通りに入力をするとゲームとしての点数は上がりますが、自分の思う通りに入力しても、出てくる音は、個性になるだけで間違いにはならないところ。
さらに、パートが選べるところも。バンドでは主役になりがちなギター以外を好きな人もいます。
ちなみに自分はベースを演奏することが多いので、ベースを選びます。好みのパートを選べるところも楽器。
究極はクロマチックモード。こうなると完全に楽器です。
全く時間軸をCPUが作らず、外で人間が作れる。
さらに、ネットワークを介した連携が普通になった今、完全オフラインで複数人数で連携できる、というのもゲームでは独特。
これらの要素は、楽器としては当たり前。バンブラはその当たり前の要素を持っています。
バンブラ上達で本物の演奏技術が上達!?
超画期的だな、と思うのは、バンブラの上達=リアル合奏のコツが覚えられる、ということ。
自分が走ってしまう感覚、それを合わせる基本、は通常のゲームモードで身に付きます。
指揮者によるアーティキュレーションを表現する以前の、基礎的な合奏力が身についてしまうゲーム、と書くと大げさですが、そんな側面はあります。
ちょっと脱線。音楽経験者だからといって、「音ゲー」が得意とは限りません。それは、音楽のルールがそのまま当てはめられているわけではないので。
かつて仕事場で音楽グループ以外の人から、「音屋だからうまいだろ?」と言われて「音ゲー」をやらされて撃沈、俺の方が才能あるだろ的なコメントをいただきました。
ゲーム会社音楽グループあるあるです。
音楽経験者が素直に楽しめる秘密
バンブラは、音楽経験者が知ってるお作法が基本にあります。このあたりが、音ゲーとは違うところ。
なので、音楽経験者がストレスなく楽しめると思ってます。自分がそうだったので。
やり込み、では未経験者にもちろん負けることもあるけど、そもそも勝ち負けじゃない音楽の要素で楽しめるので、初見の楽譜で遊ぶ感覚がそのままあります。間違えると、すっとこどっこいな音が鳴ってしまう、それも面白い。
昔、楽器屋がオリジナルのビッグバンドの楽曲の楽譜を大量に廃棄する、というのをもらったことがあって、それを人前でいきなり初見で披露、というのをやったことがあります。ほぼリアルバンブラです。
その楽しみとハラハラ感は、バンブラで次のレベルの楽譜が出てきたときと全く同じ。
続くものがいない・・・
追従するゲームが出てこないのがもったいないけど、バンブラはある意味、初期の段階でシステムは完成してます。ずーっとそれでも遊び続けられてしまう。
これも楽器と同じ。
あとは、様々な楽譜や組み合わせで遊びを拡大していく、というのも楽器的。
吹奏楽経験者でバンブラPは多いと感じています。それもこのソフトの性格を表している気がします。
答えは任天堂のウェブページに
ウェブに 『楽器の演奏が得意なひとはもちろん、これまで楽器に触れるチャンスが少なかったひとでも気軽に音楽の楽しさを実感できるハンディ楽器ソフトです』 とあるので、やっぱりこれは楽器でした。
だって、出してる人が言ってるんだから。
歴史を見てみましょう
1作目:『大合奏!バンドブラザーズ』
2005年9月26日発売。収録:37曲。記念すべき第一作目。ちょっと前の任天堂のゲームショーでプロトがお披露目されたときは、まだゲームボーイアドバンスでした。
2作目:『大合奏!バンドブラザーズDX』
2008年6月26日発売。収録曲:初期収録31+エクストラ6曲。
デラックスと名乗る点はここ。
- 楽器数が58種類に大幅増加
- ニンテンドーWi-Fiコネクションで、最大100曲まで新しい曲をダウンロード可
- 曲に歌詞が付けられるように
3作目:『大合奏!バンドブラザーズP』
3作目、一応最新作。ずいぶん前になっちゃいましたね。
2013年11月14日発売。
初期収録曲:4曲(ここ、ポイント)
前作と同じく、100曲のダウンロード権がついている+ゲーム内通貨「トマト」の追加購入で、ソフトに最大3,000曲をダウンロードすることが可能。キャッシュレス決済のはしりなのか!?違うのか!?
変更点は
- オンラインで「みんなで合奏」
- 使える楽器の数→なんと72種類に増加
- パート数が最大8→10に増加
- 自分の顔と声を駆使し、曲を歌わせることができるように
まだ入手できますね。初期のシンプルなものでも十分遊べます。
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