シンバル 吹奏楽でも色々な種類を使うけど合わせシンバルの話
楽器についてなにやら色々と勝手に書いてきましたが、そろそろ細かいところに入ってきました。
個人持ちのイメージがまったくない楽器No.1
色々な編成で色々な音楽をやってきました。そこには当たり前のように合わせシンバルがいまして、上手な人もいたけど、「マイ楽器」で合わせシンバルを持ってる!という人には今まで合ったことがありません。
プロなら持っている人もいるんじゃないかと思います。
でも、1発の音を家で個人で楽しめる感じもしませんので、当然か。
ちなみにもちろん販売はされています。ほら。
これも。誰か買ってみる?
役割はSE
合わせシンバル、ゲーム屋さんの用語で例えると、効果音=SE=サウンドエフェクト、ですね。
ここ一発でやはりすさまじい存在感を出せる。シンバルが入っているのが当然、っていう曲からシンバルを抜くと、本当にシマらないことになります。
これは、音量の爆発的な立ち上がりもありますが、音色にもあるかと思います。
成分はホワイトノイズ的
白、という色。あらゆる光の周波数が混ざったもの。
では、あらゆる音の周波数を混ぜたもの、をどう呼ぼうか、ということで色に例えて「ホワイトノイズ」。サーという音で、昔だったらテレビの放送終了後の砂嵐の音、とたとえられたりしてました。
ありとあらゆる周波数を内包し、ホワイトノイズ的な波形は、どんな音にもまぎれることはありません。音程が無いから、何か音程のある場面でも必ず目立つ。
さらに種類もたくさん
合わせの話で始まりましたが、現場ではたくさんの種類がありました。クラッシュ、ハイハット、など。しかも、この種類と共に、音色というか、主にエンベロープが特徴がちゃんとあって、芸達者なところも感じます。
また、鳴らす相手(バチ)によってもアタック音が異なり、それこそどんな楽曲でもどんな編成でも彼ら無しにはなんというかスパイスが足りない料理みたいなことになります。
シンバル伝説
伝説として良く言われるのは、ドボルザークの新世界。フルスコアの中に一発だけ合わせシンバルがあり、「他の時間何やってんの」みたいな問答が何度繰り広げられたことか。
もちろん、経験者は、他の時間は他の楽器をかけもちでやってる、というのを知ってますけど、一般的に良くこの話は出ます。
シンバルってどこの国の発症?
比較的吹奏楽編成で使われる楽器は欧州の香りがする事が多いのですが…
シンバルの有名メーカー、ジルジャンは、トルコのイスタンブールにいたアルメニア人シンバル職人が発祥、と言われてます。メーカーのロゴもなんか中東とヨーロッパの間的なエキゾチックな香りがします。
ちなみにトルコの楽隊はかなり存在感がありますが、欧州文化は楽曲様式よりパーカッションを取ったという事か。いわゆる吹奏楽のルーツの一つに、このトルコの楽隊もあります。ただ、音はだいぶ違います。
使ってる楽器はだいぶ違いますね。メインがダブルリードなので、割とキャッチーな音がします。
テクニカルには難しいぞ
そんなシンバル、特に両手で持って2つをぶつける合わせシンバル。 素人がどうにかなるものではありません。まず、2つがど真ん中で重なると音が伸びません。左右の少しのズレが必要みたいです。ズレすぎても良い音にならない。つまり、ズレを調整しているわけです。
これは、素直に褒めるしかない。
もちろん、大失敗、というのも遭遇することはあります。バフっ!という音がして、サスティンが全くなくなる。これが、2つがぴったりぶつかってしまった状態だそうです。これが新世界の一発で起こったら大事件。
武器としての実力は?
しばしばこのブログでは、楽器の殺傷能力を気にします。
ついでに、イラストに使っているのはモーニングスター。なんか爽やかな名前ですが、こんな禍々しい(まがまがしい、と読むんですな。コロナ禍、の禍の字が最初どう読むのかわからなかった)姿です。ドラクエで覚えました。
さて、その殺傷能力。シンバルは相当高いレベル。重さ、剛性、リムの鋭さ、などは普通に武器としてアマゾンで売っていてもおかしくありません。
うっかり足に落としでもしたら事故、と想像したのですが、実際そんな話を聞いたことがあるかも。多分ググれば出てくると思います。
ハイハットなどの小径なものは、投げても優秀でしょう。フリスビーの様に揚力を受けながら遠くの敵も狙えるはずです。
パーカッションの人を怒らせてはいけません。