0028: マンドリン チューニングも値段も見当がつかない異世界召喚の魔力

マンドリン チューニングも値段も見当がつかない異世界召喚の魔力

 

Dimitris VetsikasによるPixabayからの画像

実はほぼ見たことない

(未経験)

色々な楽器について書いていますが、そろそろあまり見たことがない楽器に入ってきましたぞ、と。

近所の女子校にマンドリン部がありまして。こっちは男子校、誘われて演奏会に行ったのですが、もう異世界召喚みたいなものです。

そこで聴いたのは、それまでの世界には無かったトレモロの音。そして・・・

色々な魔力の組み合わせ

足を組んだ演奏スタイル!

ビジュアルと併せて、その音の独特な世界観で、多分その演奏会に行って現世に戻ってた時、時間は進んでなかったはずです。

そのくらいの「初めて感」という比喩です。

楽器としては多分随分前に形は固定されたと推測します。そもそもの持ちにくい形、短めのサスティン、などの要素から考えると。

マンドリンの演奏スタイルは、その後色々調べてみると、ギターのように足台を使ったり、それがあっちの足だったりこっちのだったり、と苦労が見えます。

あの安定しない形。ギターのようにウエストが無いし、背中はまん丸に膨れてるし。ボディ長に対してネックは短くて重量バランスも悪そうだし。

disってるのではない

この楽器に求めるものが、その時点で完成された、という事と理解してます。 演奏での多少の苦労はマンドリンの目指す音への試練として、ダブルリードの面倒臭さ、コントラバスのデカさ、などと同様、選ばれた者の税金みたいなもの。

楽器が目指すのは第一には演奏の快適性ではなく、やはり音でしょう。快適性はそのあとの工夫でなんとかなる場合に何とかしてきたのではないでしょうか。

もう一つ思い出すのはスーザフォン。チューバの音を前に飛ばしたい、歩きながら演奏したい、このことがあの、どうしようもなくつぶしの利かない形を産んだと思ってます。

とはいえ、この部分を何とかするとしたら?

外野なので、勝手に快適性を考えてみます。

半球に近い背中を削ったら?と簡単に思いつくのですが、それはもう昔の人も考えていたみたいで、既にあります。フラットマンドリン。

演奏感は似ている部分も多い様ですが、予想通り音色は全く違います。用途は別物ですね。

形=音。です。音響物理的にも。

こんな一瞬の異世界体験のマンドリンの記憶ですが、友人は吹奏楽→マンドリンオーケストラ、と進みました。

↓これが私が持つマンドリンのイメージですが、古楽器的な入口の楽曲も多いです。

しかし!だからこその唯一無二の音楽を作れる

特長を残した状態で楽器として完成形としたマンドリン。奏法も含め、ある意味代えがきかない世界を継続できています。また、デジタル楽器でも簡単に再現がしにくい。トレモロを一定にしながら、ピッチを変更する。さらに、毎回アタックが来る上に、一つ目と連続されている状態のピックのアタックが違う。専用の処理が必要な音色です。
だからこそ、愛好者は熱烈だし、演奏者も一度はまったら出てこられない魅力があるのです。

マンドリンの油絵
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