0007: ホルン 難しいだけに吹き方覚えたら結構マウント取れます!でも草食男子的側面も

0007: ホルン 難しいだけに吹き方覚えたら結構マウント取れます!でも草食男子的側面も

どっち向いて音を出してるの、の代表的な楽器。

自分の小脇に小粋に抱え、異様に大きなベルをほぼ斜め後ろに向けて演奏するスタイルは独特です。

音楽的には他の金管楽器群と違う、混んでいるあたりの倍音列を常用するため、年末ジャンボほどではないが「当たりにくい」特性があります。なので・・・

結構難しい…でも理由はある

トロンボーンより長いのに、トロンボーンより上の音域を多用します。

金管楽器を演奏する人なら理解しているし、でも難しいと思われる「同じ運指で違う音を出す問題」。いわゆる倍音です。

通常の金管楽器が使うのが緑色の倍音列(一番低いのはあまり使われません)。比較的飛び飛びです。

赤が、ホルンが使う倍音列です。非常に隣同士が近いところに詰まっています。

ホルンは、この倍音が渋滞してるあたりを使って演奏するわけです。なので、ここ!と音を出してもその一つ上や一つ下になってしまうことも多々ありそうです。

空いてる電車で知人を見つけるより、混んでる電車の方が難しい現象…例えは長いが的を射てない例です。

誕生当時の状況から考える

誕生当時はピストンだのロータリーだのの機構はまだ無い、でも音階は奏でたい、という時代です。

だから倍音がぎちぎちに混んでるあたりを使ったわけです。

古い曲は、ロータリーを使わずに吹けるものも。それでも倍音には無い音を使いたくなる時もあります。

それでも出ない半音は、ベルに突っ込んだ手の具合を調整して作り出す!そんな奏法がありました。現在、ベルの中に手を入れているのもその名残です。

そんな苦労が産む音はまた格別なものが…という楽器と演奏を続ける方々もいらっしゃいます。

ここを習得すれば「有利だ」

難しい、という点については、欠点でもありライバルから抜け出すチャンスでもあります。

なにより反復練習。しかも、毎日違うことをやるのではなく、

できればいつも同じ練習フレーズ

を使ってください。これにより、毎日の上達が見え、さらにコンディションの上下も分かりやすくなります。

これは自分がオケで吹いていた時に実感。ルーチンを決めておくことで調子の良しあしも分かります。

さらに、唇を先端として演奏全体に使う身体の筋肉類も、同じことをやることでどこがニュートラルかを覚えていくので、倍音の一つを狙って当てる精度が向上してきます。

そうすると、有利な楽器の特性が活きてきます。

つまり、他の金管に比べて、圧倒的に音域が広いのです。トランペットオーケストラ、は成立しにくいのですが、ホルンだけのホルンオーケストラはできます。

音は凄いぞ!…でも優しい面も

そんな後ろ向きなホルン(見た目です)。

音色は割と破壊力があり、ベト7の上に突き抜ける音、ワーグナーの血湧き肉躍る野太い旋律などは、ホルン奏者なら誰もがカタルシスを得られるはず。

同時に、木管のアンサンブルにシレッと混ざる器用さも。女子会に紛れ込んだ草食男子的な…

個人的にはモーツァルトの様な緻密な楽譜より、はい、ここで吠える!みたいな方が好みですが、その迫力ゆえの問題もあります。

作曲家によっては若干の色物臭が漂う使われ方をすることもあり、楽章によっては全部休み、などの楽譜もしばしば出会いました。ただでさえ当たりにくいのに、本番中結構な時間唇が放置状態で、次の音が心配になります。

加えて、さらなる問題も。

自分自身の問題に直面

なぜかクラシック楽曲を聴くと眠くなるのです。

そうすると、演奏しているときの休みの間が鬼門になります。

本番のステージ上でしばしば睡魔との戦いが繰り広げられる状況が繰り広げられます。

これはホルン奏者あるある?ないない?

吹奏楽編成でホルンはやった事ないけど、こちらは結構マーチの後打ちで息吸う暇がないイメージもあります。こっちはこっちで働きすぎ問題。

なんでも適度、が良いんですが。

ちなみに、大学オケでは後輩君がちゃんと出番3小節前にはつついて起こしてくれました。

ホルン一族はかなり多いけど

ここまで「ホルン」と書いてますが、いわゆるフレンチホルンの事です。調べてみたらどうもフランス由来の楽器という訳でもないらしいですが…。

他に


フリューゲルホルン
テナーホルン
アルトホルン
バセットホルン
イングリッシュホルン

などがありますが、狭義では仲間ではありません。

でも、この編成も何かできそうですね。

近い「ホルン一族」もあります。


アルペンホルン
ポストホルン

など、民族楽器風のこちらはもう少し仲間っぽい印象です。

楽器の原理としては元々原始的なところから産まれてますので、各地や各用途で発展していった・・・という伝統もあるのです。

いわゆるホルン5度

メカニズム的にも歴史的にも少し独特な立ち位置にあるホルンは、アンサンブルで独特の音も作り出してきました。

ピストン等ができる前。詰まった倍音域のみで和製を構成することで、独特な響きを産みました。

和製じゃなく和声。 しかし!その和製のゲームの冒頭で、この独特な和声を体験できます。 ドラクエのオープニングを思い起こしてみてください。これぞ!ホルンの響き。



これ、余裕があったらポチりそう・・・

ホルンの写真
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