チェロ 男に頼らなくたって生きていけますもの。
チェロ奏者は姉御肌
(未経験)
バイオリン→ビオラ→チェロ、とつながって書いています。 バイオリン、ビオラと続き、チェロも割と詳しくなく、オケ時代の印象中心に勝手に書いております。
の前に。
オケで印象的だった女性奏者を頭い思い浮かべ、勝手なイメージを持ってまして、表題につながっています。
理由は演奏のスタイル。お嬢さん的に座って弾けません。ヨイショとガニ股になります。さらに、結構ダイナミックに楽器を扱うイメージ。演奏者個人の性質じゃないです。楽器ゆえにそうなってしまったスタイル、それだけ。でも、このイラストの女性もきっとお酒が強い感じがします。
楽器としても『自立』感があり
楽器としては、十分な低域があり、個人的にはこの特性が好きです。ここ何回かその話をしてますが、低音は特別な意味を持っていると思います。
高音楽器だけの編成は、リスニング対象としては成立しにくい、と考えています。 ミニマムにしていくともちろん1番シンプルなのはメロだけ。しかし、音楽を構成するには、次に欲しいのはベース音。 邦楽はこの辺りの法則になぜか反して不思議な構成多いです。
チェロは十分な低域を持ちつつ、きらびやかな高音も出せる。まずは音域的にかなり表現幅が大きい楽器。
ここまで良いことを並べてますが↑、若干の問題もあるかと思ってます。それは、サイズ感。
音域的にはバイオリン→ビオラ→チェロ、の並びで来るのですが、前の2つに比べてサイズ感がいきなりここでジャンプアップ。
サイズ問題と面白い形にならざるを得ないケース
四角いケースにするとデカすぎるから、楽器の外見が分かるケースになることが多い。
そうすると、妙に首の長い、スターウォーズのクローン作ってた星人っぽい形に見えます。千と千尋の顔無しも似合いますね。菜々緒と言えるかもしれません。 あ、スターウォーズに出てきたのは名前を思い出しました。ケルミアン。評議会にも出席してる重要なキャラでした(と思おう)。割と特異なビジュアルなので、ご自分でググってみて下さい。チェロより細いです。
強烈な思い出
中学校の吹奏楽部のお別れ演奏会的なやつだったか。校長先生がチェロを趣味でやっていて、どうしてもステージに立ちたい(チェロですので座ってますが)、ということで参加。
ここで、相当なほほえましいレベルの演奏が繰り広げられました。
これ、悪い話のつもりじゃないです。
音楽は、楽しんだもの勝ち。変に格好つけるのではなく、生き生きと自分を表現した。それが多少よたよたしていても、それも含めて伴奏側も観客もみんなが笑顔になりました。
チェロ=楽しい
はかなり強烈に刷り込まれたわけです。
目が見えない友人
全盲の友人がいました。彼とは、色々な話をしながら、音楽も勧めたりしました。
結果、彼が選んだのがチェロ。ポジションを考えると、元々フィンガリングを目で追うようなスタイルでもなく、楽譜をどう伝えるか、の部分をクリアすれば特に困ることもありません。
耳はある意味、晴眼者よりも優秀に使いこなしている彼ら、うまく導入と運用ができれば、優秀な演奏者になる素養もあります。
今も視覚に障害がある人たちとのやり取りは色々とあって、彼らにうまく演奏という楽しみも伝えたい、と思っています。
欲しいぞ
普通に魅力のある楽器なのですが、特にこの楽器のサイレントシリーズが本当に便利&格好いい!!!
特記:無伴奏の曲が成り立つ特性
まずは音域というところでの「一人で生きていけますもん」ですが、他にも特長があり、最高の特徴だと思ってますので、最後にそれを。
それは、サスティン。
楽器の演奏をやめても、楽器が余韻の音を出す。ボディの小さい楽器、振動が残りにくい楽器は、吹いたり弾いたりをやめたら音がいきなり消えてしまう場合があります。
チェロは、箱の大きさ、弦の長さ、励起されたエネルギーの保存状態、などが色々と理想的にバランスを取り、ソロで演奏しても、自分が少し前に弾いた音が残った状態が作れます。バラバラに弾いた音が次々重なり、和音として響く。
そのため、チェロは無伴奏の曲も優秀なものが多いし、実際リスニングにも心地よい。楽譜もCDもたくさん選べますね。
ということで、「一人で生きていける女の話ではなくチェロの話」でした。