0003: コントラバス 値段より気になるのは巨体。悲しき家具屋

コントラバス 値段より気になるのは巨体。悲しき家具屋

家具屋が演奏家を兼任する事がドイツ辺りでは多いと聞きます。

うそです。

あの重くて大変な楽器を運ぶ様子を家具屋、とからかっているわけです。じゃあ、手伝えよ、って話ですね。

ならば、家具としてはどうか

家具としてコントラバスを見ると、モノを入れる口は狭いし、安定感は無いし、家具としての機能がなんだか分からないでっぱりも多いし、でも、確かに雰囲気は優雅な楽器というより、家具の感じもあります。

中学生年代では、滅多に演奏で椅子を用意される事はなく、自分より背の高い楽器につかまるように演奏する事が普通。このサイズ感も確かに家具です。

オケの中で仲間から家具屋と揶揄され、実際に運搬に苦労して・・・全てその巨体のせいです。

0019: チューバ 吹部の最低音を支える不遇の巨大戦艦

↑こちらも巨体で苦労してます。ちなみに、両方やってました。

ケースも当然

ケースも当然大きいわけです。横溝正史はここに人間の死体を隠しました。

文庫版の表紙は男子中学生には刺激が強かった、と記憶しています。あ、見つけたので貼り付けますが、これは中学生向けじゃないや。

この事件で使われたのはハードケースですが、その巨体故にケースも大変。ハードケースはそれだけで大型犬なら二頭飼いがができるほど。この比喩は分かりにくい上に当たってるかも不明です。

個人的にはこれまでの活動ではハードケースは間近に見た事はなく、厚手のコットンの頼りないものか、クッションの入ったどっちにしろソフトケース。 我が中学の後輩はこの中に一年生を閉じ込めて泣かせる、というメーカーが推奨しない使い方をしていました。 (ここまで演奏や音に対する言及無し)

実際ググると苦労が見える

(まだ楽器としての音の話になりません)

運搬問題はかなり重要。

混んでる電車にも乗ると文句を言われそうで、空いてる時間帯や車両を選ぶ傾向にあり、集合時間には大体早く着くことが多くなります。それを嫌ったのか、自力で何とかしたくて無理をしている人が世界中にいます。

グーグルで[コントラバス 自転車]と探ると、苦闘の記録がたくさん出てきます。

やってみましょう。「コントラバス 自転車」でググり画像表示をしたキャプチャーは次の通り。

皆さん、苦労されてます・・・分かります分かります。自分も車を持ってない時代にコントラバスやってましたので・・・

一方、音は?

やっと音について。

吹奏楽部においては、演奏しながらも役に立ってる感が薄い印象を自分でも持っていましたが…。

大人になってやっとわかった!

箱の共鳴を活かした余韻、ピチカートのエッジが効きつつ周りを包み込む低音、弓でキープする箱鳴り付きのロングトーン。

どれもチューバとは違う、場合によっては凌駕できる、素晴らしい魅力です。これを大人になり再発見。

OBバンドで、たまたまチューバが欠席の時、上手な人と2人でぐりぐり弾いていたら、周囲の皆さんが割と驚いてくれて。自分たちでもこんなに威力があるのか、とびっくりしました。音が小さい、というのも、しっかり鳴らしきれてないから、ということもあります。まだまだ吹奏楽のコントラバス奏者、頑張れる余地はありますよ。

吹奏楽部のコントラバス奏者よ!今こそ立ち上がれ!

そういうわけで。この余地を使って、若いコントラバス奏者は、自信を持ってバンドを下から持ち上げて欲しい。

チューバの金管としての響きとは全く違う響き。チューバとコントラバス。この2つがうまく絡み合い共存できれば、新しい低音の魅力を作れるはず。

音量が小さい、というのは思い込み。しっかり鳴らせばしっかりと届きます。でも、一人だともったいない。

かつて吹奏楽の編成で、コントラバス6本というのをやった事があります。この連中は、普段オケのコンバス奏者。 それはそれはもう。弓が弦を擦る最初のガリっとする音も迫力があり、目一杯の余韻と倍音の多い低音が異次元の音を。オケの編曲作品がより魅力的になりました。 吹奏楽編成でも普段3本以上の起用があっても良いと思ってるくらい。

コントラバスの魅力を知るには、まずはCD買う事、もちろん楽器買えるなら買ってしまう事、そして横溝正史を読むこと!






コントラバスステージ横に置いてある写真
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