12/31 障害を持つ人との交流日誌 全盲の部下を持って③ 手品?
障害を持つ人との交流日誌 全盲の部下を持って③ 手品?
小学校の授業 いいことだ
視覚障害を持って生活すること。その中で何が不便、何ができない、だから見えている人はこういう配慮をすると助かる、と言った事はある種の情報です。
横断歩道で困ってる白杖を使う人に、どのように声をかけるか、どのようにガイドをするか、などはその情報を知らないといけません。
そんな訳である小学校では、実際の障害者を呼んで、話を聴く体験授業をやってました。私の友人がそれに呼ばれました。
大変すばらしい取り組みだと思います。
でも…授業で何を話す?
せっかくの機会だから、その時間を意義のあるものにしたい。大変だな、サポートしたいな、と思ってもらう気持ちが芽生える事は重要だけど、方法論だけ伝えても機会がなければすぐ忘れる。
それよりも、非常に稀な体験授業での出会いをまずは印象深いものにして、「視覚障害者」が普通に我々と共に生活している事、を忘れないようにして、サポート手法はそこから思い出してもらえるようにしよう、となりまして。
内容を相談され、上記のように考えた末、やはり重要なのはツカミだな、と。最初にのめり込んでもらえれば、あとは新しい情報が次々出るので、飽きる事はない。
ツカミその1 シャキーン!
まずはビュジュアルと音で。
白杖にも色々なタイプがありますが、歩行時は長く、それ以外に短くできるタイプも多いです。彼が使うのは折りたたみタイプ。4つに杖が分割されて、真ん中にゴムが通っている。引っ張りながら折り畳め、伸ばすときはゴムの力で割と一瞬にして棒状になる。
あー、文字だと伝えにくい。
これは、なんと!6分割タイプ。それぞれのパイプの中にゴムが通っています。取っ手を持って空中で振ると、ガチャガチャガチャっと音がしながら一瞬で一本の棒に。
教室内にどよめく「おーっ!」の声。小学生なのでもうちょっと高いイメージですが。
これでツカミはOK!
ツカミその2 袋の中身はなんだろな?
黒い布の袋の中に、硬貨を入れておく。
それをリクエストに応じて次々と正しく取り出す。こんなことは視覚障害者にとっては日常。でも、小学生たちにとっては不思議な感じ。さらに、前に出てきてもらって小学生たちにもやってもらいます。もちろん時間をかければできますが、一瞬で掴み分けるのは難しい。
あとは普通に授業開始!
こうなったらあとは大丈夫。みんな、新しく聞く世界に引き込まれ、無事、視覚障害というのはどういうことか、どういうことに困ってどういうサポートや配慮があればいいのか、自分が何かサービスを提供する側に回ったらどんなことが考えられるか、といったことがつつがなく進行。
若い世代がしっかり現状把握ができれば、これからの世の中は安泰です。
大事な事は「知る事」「知らないことは想像する事」
思わず見出しが2行にまたがってしまう勢いの表題。
そういうことです。